ちょっと面白かった本の話です。
若い頃、夢中で読んだあの有名なC・ブロンテの「ジェイン・エァ」ですが、
その中でジェイン・エァと結婚するイギリスの紳士、ロチェスターの最初の妻で、
物語の中では一言も言葉を発していない狂人の女として描かれているバーサ・メイスン。
覚えている方も多いと思いますが。
この女性が、本当はなぜ狂ったのかを別の立場から書いたのが、今回読んだジーン・リース作の
「サルガッソーの広い海」です。
ジェイン・エァから百年以上の時を置いて書かれたこの本が、いつ私の本棚に並んだのかすっかり忘れていた
のですが、先日、積読の本を少しでも片付けようと思い、たまたま手にとったのがこれでした。

バーサ・メイスンはカリブ海に浮かぶイギリス領だったドミニカ島(ドミニカ共和国よりもう少し東にある島)
のクレオールの娘。
クレオールとは植民地生まれの白人、その当時は奴隷所有者、堕落した二流の白人というネガティブな色合いを
持っていました。
クレオールの人は本国イギリスへの疎外感、違和感を持ち、しかも同じ地に住む黒人達からの
軽蔑や悪口、噂、密告、暴動におののきながら暮らしているのです。
その複雑な環境の中で主人公アントワネット(バーサ・メイスンがモデル)がロチェスターがモデルと
思われるイギリス男性と結婚します。が、彼女の脅えは夫には伝わらず、信頼を失い、じょじょに狂気へと
追い込まれて行く様子が描かれています。
この作者は祖母がクリオール人であり自身も16歳までドミニカで育ち波乱に満ちた人生を送っています。
この本はあくまでもジーン・リース創作の物語ではあるけれど
ジェイン・エァと合わせ読めばこの甘い恋愛小説もぐっと大人の領域に入っていく気がします。
大人になった皆様、機会があったらぜひ読んでみて下さいな!
すごく長文になってしまいました。最後までよんでいただきありがとうございました!!
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